乾為天(けんいてん)の解説|卦辞の読み解き方
乾為天は、陽爻だけで出来た卦です。乾とは天を意味し乾為天は「乾(三)」の卦が2つ合わさって出来た大成卦となるため、これ以上ないくらいに力強く盛んな勢いです。
乾為天の卦辞には「乾。元亨利貞。」とあります。元亨利貞とは、天の徳をあらわします。
「元」はあらゆる事物のスタートや大きさです。そして「亨」は天の気が隅々まで行き渡ることを、「利」は本質的で狂いがないことを意味します。最後の「貞」が物事の正しい完成、大願成就を意味します。
乾為天(けんいてん)の意味|大象の解説
乾為天は「力強く盛んな勢いに全てを任せるのではなく、仁礼義智を尊んで歩んでいくべきである」ということを意味します。
陽爻だけで出来た2つの天が存在する卦であるのが乾為天です。「乾」は天のほかにも君、父、夫を意味します。
このことから強力、剛健、充実などをあらわしますが、その強さがマイナスになることも暗示しています。それは、力強く盛んな勢いのあまり暴走の一途を辿る可能性です。
自信過剰、調子に乗る、独り善がりといったことにはならぬよう、心がけましょう。
そのために重要なポイントが「元亨利貞」です。それぞれ漢字一文字で言い換えるならば、仁礼義智です。これらを忘れずにいれば、暴走することはないでしょう。
勢いに比べて結果が伴わないという暗示も含まれる掛なので、着実に前進しましょう。
乾為天(けんいてん)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 互いに譲れずまとまらないため、理知的な恋愛に傾いてしまう。 より感情を前面に出したまっすぐな姿勢を心がけると良いでしょう。 |
片思い | 期待感とは裏腹に順調にはいかない可能性がある。 地道な努力を徹底することが大事な時です。 |
復縁 | 理想と現実の差のあまり空転する。 思いだけを先行させすぎないよう、アプローチを変えてみると◎ |
結婚 | 双方の主張が強く、理想も高くなる傾向にあるので難航する。 譲り合いや落ち着いた話し合いが大切になります。 |
相手の気持ち | 相手が仕事など別のことに気をとられている。 相手の想いを受け止める大きな心を持ち続けましょう。 |
仕事 | うまくいく。流れに乗ることができます。 ただし冷静さを失わないことが重要です。 |
転職 | 勢い任せではいけない。 よく考えた結果ならばうまくいくので準備が大事。 |
運勢 | 運勢はとてもよく、後押しがある。 善い行いと正しい心を貫くことで幸運に繋がる。 |
金運 | チャンスは多いうえに、困ることはない。 放漫な使い方は禁物。 |
失せ物 | 大切な物ほど発見しやすい。 周囲への協力を求め傲慢にならなければ◎ |
乾為天(けんいてん)の爻|小象の解説
陽爻だけで出来た卦である乾為天は、初爻・三爻・五爻が正位の陽の気を持っています。
二爻・四爻・上爻では、現状を鑑みずに突っ走ってしまいがちです。細心の注意を払って動きましょう。
上爻の意味 | 上爻は、著しく衰退した運気です。限界を感じ、自分の不足を知ります。立ち止まったり、見切りをつけたりするには適しています。 |
五爻の意味 | 五爻は、運気が最盛を迎えています。目的の達成や大願成就があります。ここで区切りをつけ、次に向けて動くのにも良いです。 |
四爻の意味 | 四爻は、運気上昇の中にあります。もう少しで達成されます。迷いや溺れがないよう、堅実な歩みがより重要になります。 |
三爻の意味 | なかなか運気が上がらないのが三爻です。物事が前進しません。ですが手を抜くこともNG。地道な努力が必要です。 |
二爻の意味 | 二爻は、かなり充実した運気になります。努力が実を結び、次に繋がる一歩に恵まれます。人間関係を広げると◎です。 |
初爻の意味 | 初爻ではまだ運気に恵まれません。才能や実力があっても、結果を出すには至りません。ここで力をつけて、準備することが大切です。 |