離為火(りいか)の解説|卦辞の読み解き方
爻が陽・陰・陽と重なっている象を易では「離」といいます。そして、これが二つ重なっている卦が「離為火」です。
また「離」とはつく、連なるということ。この意味が強まるため、何かにしっかりと付き従うことが求められるでしょう。卦辞には「畜牝牛吉」とあり、つまりメスの牛のごとく大人しくするようにと説いています。
正しいものの後ろにつければ、運の勢いはまるで燃え上がる炎のように増していくでしょう。人に左右されますが、良い判断ができれば幸運を得られます。
離為火(りいか)の意味|大象の解説
火は大きなエネルギーを宿していますが、それは何かにくっついているからこそ存在できます。炎が玉となって空中に浮かぶことは容易ではないのです。
これと同様に、現状の運を活かせるかどうかは何を頼るかにかかってきます。人にこの卦が導かれたのであれば、その人を活かすためのものを探すと良いでしょう。逆に、勢いに水を差すような事柄は遠ざけるべきですね。
ちなみに、運勢については良い意味合いが強いですので、もし間違ったものの後に続いたとしても大丈夫です。一時的に実力を発揮できなくなったとしても、急いで正しい導き手を探せば問題ありません。
ただし、取り扱いに注意が必要なものには気を配るようにしてください。特に紙はよく燃えますので、不運を招くきっかけになる場合もあります。よくわからない書類には気軽に判子を押さないこと。
離為火(りいか)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 成就へと向かいやすいでしょう。 ただしその場の勢いで動きやすく、ケンカにもなりやすいため注意してください。 |
片思い | 焦らなければ問題なし。 一気に燃え上がる恋は後に息切れします。 |
復縁 | よりを戻せるでしょう。 相手を立てるようにすると末永く一緒にいられます。 |
結婚 | 相手が本当に理想のパートナーか見定める必要があります。 なお、再婚だとより幸運を得られるでしょう。 |
相手の気持ち | 信頼を寄せてくれています。 その気持ちがわかりやすい場合が多いです。 |
仕事 | その分野に詳しい人のサポートが得られれば順調。 書類の扱いには注意してください。 |
転職 | 何事も一人で決めないこと。 退職から転職先まで、誰かと話し合いながら進めれば吉。 |
運勢 | 一人では思うようにいきませんが、実力のある人と共に動けば運が向いてきます。 |
金運 | 良きアドバイザーを得られれば大金を掴めるでしょう。 |
失せ物 | すぐに探せば見つかります。 時間をかけてはいけません。 |
離為火(りいか)の爻|小象の解説
初爻から三爻までが正位を得ています。陽の気が強まる初爻、三爻では勢い余ってトラブルを呼び込む結果になりやすいです。二爻は陰の気が増し、火と和合するので吉となります。
一方で四爻から上爻は不正。運気が陰るため、それぞれの項目を参照し落ち着いて動きましょう。
上爻の意味 | 求めていないことにまで勢いがあるため振り回されます。未来を見据えるには手元にある火だけで十分ですので、余計なものは遠ざけましょう。 |
五爻の意味 | かつての勢いは残りわずかとなりました。その僅かな希望の火をゆっくりと大きく育てていくことが肝心です。 |
四爻の意味 | 無計画のまま動くと不安要素を招き入れる結果となります。つらい状況に陥りやすいので、一歩引いて状況を見据えること。 |
三爻の意味 | 高望みをしても良い結果にはなりません。頑張りすぎることなく、今ある幸福を大事にしていけば問題はありません。 |
二爻の意味 | 何事も順調に進みやすいです。ただ少し足取りが重くなるので、急ぐよう意識してください。チャンスは待ってくれません。 |
初爻の意味 | つくべきものが見つからないうちに動きがちです。冷静になり、まずは何の後に続くべきかを考えるようにしましょう。 |