地山謙(ちざんけん)の解説|卦辞の読み解き方
「謙」とは謙遜、へりくだるという旨を指します。また、本来地の上に山があるべきですが、それが逆になっている卦です。
つまり、大衆の上に堂々と立つような人であったとしても、身を低くして粛々と過ごすようにという意味になります。
そうすれば「君子有終吉」とある通り、歩んできた道を全うできるでしょう。もちろん、その結果は大変良いものです。
また、高い山を地のごとく平らに均すような、公平な態度が求められるという見方もします。
地山謙(ちざんけん)の意味|大象の解説
ひっそりと力を蓄えることを促す卦です。そのため、多くの人の前に立つような生き方はしばらくおすすめできません。
華々しい振る舞いは避け、影に隠れて過ごすべきです。また、我を通すようなことはせず、頭を下げるようにすべきでもあります。
ときには自分よりも能力のない人に良いように使われることもあるでしょう。しかし、いまはそれで大丈夫です。やがて存分に力を振るえるようになりますので、しばらくは耐えるようにしてください。
なお、導かれたのが男性か女性かで意味合いが変わる卦です。男性に導かれた場合には徐々に勢いをなくすと見、異性関係のトラブルが招かれることが度々あります。しかしそうなったとしても、焦ることなく復活の機会を窺うのが賢明です。
そして、女性に導かれた場合には次第に勢いを増すと見ます。社会的には上手くいきやすくなりますが、異性を遠ざけやすくなるのでそこは注意が必要です。
地山謙(ちざんけん)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 気持ちを通い合わせにくいです。 相手を立てるようにすると成就に近づくでしょう。 急展開を望むのは避け、長期戦に持ち込むと吉。 |
片思い | 遠回しなアプローチが功を奏するでしょう。 恋愛をあまり意識しないようにすると幸運が舞い込みます。 |
復縁 | 無理によりを戻そうとするとつまずきます。 相手の出方を見てから動くと良いでしょう。 |
結婚 | 今は話を進めるべきではありません。 しばらくは価値観のすり合わせを入念に行いましょう。 |
相手の気持ち | モヤモヤを募らせています。 すれ違いやすいので、上手くいっていたとしても気を抜かないこと。 |
仕事 | 人より抜きん出ようとするとあまり上手くいきません。 あくまでもサポートに徹すること。 |
転職 | すぐには思うようにいきません。 今は機会を伺い、いつでも退職できるように業務の引き継ぎを進めること。 |
運勢 | あまり勢いを感じられませんが、だんだんと良くなっていきます。 |
金運 | 謙虚に振る舞えば、今後の収入アップに繋がるでしょう。 |
失せ物 | すぐには見つかりませんが、忘れた頃に出てくるので急がないこと。 |
地山謙(ちざんけん)の爻|小象の解説
二爻、三爻、四爻、上爻が正位を得ています。これらの中でも二爻、四爻では陰の気が増し、謙虚でいることのメリットが多くなるでしょう。なお上爻も陰の気が増しますが、隠れていた問題が表出しやすいと見ます。
他の爻は不正となり、初爻、五爻では控えめな姿勢が崩れていくでしょう。ですが、五爻ではむしろ強気になるべきケースもあります。
上爻の意味 | 息を潜めていたトラブルが顔をのぞかせ始めます。それと同時に協力者たちも出てくるでしょう。人と力を合わせて問題に当たれば吉。 |
五爻の意味 | 人から親切にされた際には謙虚に、理不尽なことをされたときには強気で応戦しましょう。ダメージをそのままにしてはいけません。 |
四爻の意味 | 周りの人々への感謝をしっかりし、その上で慎み深くしていれば能力を発揮する機会が得られます。少しでも天狗になれば、その機会を活かせないので注意してください。 |
三爻の意味 | これまで以上の頑張りが求められてくるでしょう。ただ、忙しさの割には旨味が少ないです。それでも今は目の前のことを追うしかありません。 |
二爻の意味 | その時々の流れに従うことで吉運を呼び込めます。力のある人の助けが得られるケースもあるので、礼儀を忘れないこと。 |
初爻の意味 | 周りを見る余裕がなくなりがちです。不安なことがたくさんあり迷いが増えますが、だからこそしっかりと努力を重ねて未来に備えること。 |