艮為山(ごんいざん)の解説|卦辞の読み解き方
「山」とは動かないものの象徴。その山が二つ重なっているのがこの卦です。そして「艮其背」とは背中に止まるということ。手や足などを動かせば欲が出ますが、背中は自由に動かせません。それ故に、何も求めずに済むのです。
つまり思うようにならない状況にありますが、だからこそかえって平穏を守れるという旨を示しています。「无咎」とあるように、苦しむことはないのです。じっとしていれば、やがて良い兆しが現れるでしょう。
艮為山(ごんいざん)の意味|大象の解説
つらい状況が何度も訪れますが、それが救いにもなるという卦です。当事者が挑もうとしているのは、見たこともような山を登ろうとしているようなもの。
だからこそ、全て諦めてしまうのが良いのです。卦辞の読み解きでもお話ししたように、欲を出してはいけません。元から手に入らないものだったのだと考えましょう。
しかし、もしどうしても避けようがないものである場合は、かなりの長丁場を覚悟してください。数ヶ月、数年でどうにかなれば良い方で、内容によっては数十年かかることになります。
なお、話が既にまとまっているものについては、これ以上手を加えなくても大丈夫です。例えば、もう決まった縁談や結婚の話は安心して進めてください。
艮為山(ごんいざん)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 既に決まった話であれば問題ありませんが、これからのものは諦めるべきです。 もし諦めきれないのであれば、叶わぬことを前提に想い続けるしかありません。 そうすれば希望が見える場合があります。 |
片思い | 二人の関係は変わりません。 長い年月を経て結ばれることもあるでしょう。 |
復縁 | 一生をかけて愛を取り戻す覚悟があれば、やがて光が見えます。 |
結婚 | 以前から結婚する計画があったのであれば末永く幸せになれます。 そうでないのなら希望は少ないです。 |
相手の気持ち | ずっとこのままが良いと考えています。 また、その気持ちはしばらく動きません。 |
仕事 | 無理難題に挑もうとしています。 挑戦しても失敗してしまうので、まずは現環境の充実に励むのが吉。 |
転職 | いまは時期ではありません。 スキルアップに努め、チャンスを待ってください。 |
運勢 | 新たなことは何も進みません。 未来に備えてじっくり準備を進めていけば、やがて良い動きが出てきます。 |
金運 | かなりの高望みをしてしまっています。 しばらくは細々を過ごすのが良いでしょう。 |
失せ物 | 遠くへはいっていません。 身近なところにあるでしょう。 |
艮為山(ごんいざん)の爻|小象の解説
二爻、三爻、四爻が正位を得ています。二爻、四爻は陰の気が増すためいよいよ動けなくなるでしょう。三爻は陽の気が強まり行動的になれる分、厄介な展開になりやすいです。
初爻、五爻、上爻は不正となりますが、上爻では素晴らしい状況が続きやすくなります。
上爻の意味 | ベストな状況ですので、この幸せを長続きさせらえるように努めましょう。現状を投げ出さないように落ち着いて過ごしてください。 |
五爻の意味 | 余計な発言は慎み、筋道を立てて話すようにすれば問題はありません。また、何かに取り組みかったとしても、勝手のわからないことには触れないでください。 |
四爻の意味 | 現状から動けませんが、非常に好ましい状況です。何かあっても一歩引いた態度で冷静に対処しましょう。やがて進展の機会に恵まれます。 |
三爻の意味 | やってはならないことをどんどん押し進めてしまいます。大変な思いをしても報われませんし、むしろ迷惑に思われるでしょう。柔軟に対応すれば救いはあります。 |
二爻の意味 | 厄介事を押し付けられ、仕方なくそれに従うことになります。つらくとも逃げ場はありません。嫌でもやるしかないのです。 |
初爻の意味 | 足取りは重く、また状況も整いません。何をやるのも簡単にはいきませんが、むしろそれで大丈夫です。動かなければトラブルに巻き込まれないでしょう。 |