水風井(すいふうせい)の解説|卦辞の読み解き方
「井」とは井戸のこと。たとえ村を移したとしても井戸は水脈に依るものであり、その役割はいつまでも変わらないのです。どれだけ汲んだとしても枯れず、また放っておいてもあふれません。
いつまでも人を支えてくれるものですが、それも「つるべ」があるからこそです。もし底に穴が開いていてはよくありません。卦辞で述べられているのは、このような内容です。
また、この井戸の様子に倣い、周りの人々を助け続けるようにという暗示もあります。
水風井(すいふうせい)の意味|大象の解説
物事が末永く続いていくときに度々導かれる卦です。現実の井戸のように、いつまでも長い間いまの状況が紡がれていくでしょう。
そのため、仕事などに導かれた場合には発展がありませんが、恋愛面では「井」の中に二人が囲われるとして吉。良い未来に期待できます。人間関係についても、誰かと距離を縮めたいのであれば深い絆を育めますよ。
逆に、縁切りを望んでいたのであれば簡単にはいきません。誰かと距離を置きたくても、腐れ縁となりいつまでも状況は変わらないでしょう。
同じ理屈で、転職や引っ越しなどもしばらくは叶いません。とはいえ、このまま進むことも戻ることもないため平穏を得やすくはあります。
なお、何かをしようとしているのであれば成果を手にするまで気を抜いてはいけません。“つるべに穴が開いている”こともあるからです。ぬか喜びで終わらないよう、幸せをその手に掴むまでしっかりと前へ進みましょう。
水風井(すいふうせい)の解釈|目的別の解釈<
恋愛 | 距離の近い二人はそのまま結ばれるでしょう。 逆に、相手との関係が不仲である場合、状況を好転させるのに苦労します。 |
片思い | 以前からアプローチしていたのであれば間もなく成就します。 芽生えたての恋だと、友だちのまま様子を見るのが吉。 |
復縁 | 現在の状況からはなかなか動きません。 流れが変わるまで待つ必要があります。 |
結婚 | 既にパートナーがいるのであれば吉。 これから相手を探すのなら状況は進展しません。 |
相手の気持ち | 以前と変わらぬ気持ちでいます。 なお、その気持ちは当分そのままです。 |
仕事 | 進展も後退もないでしょう。 普段通りにしているのが一番です。 |
転職 | いまの職場を去ろうとしても上手くいきません。 もう少し待つことです。 |
運勢 | つらい状況は改善できず、幸せまでもう一歩のところで足踏みしやすいです。 普段通り頑張り続ければ、やがて光が見えるでしょう。 |
金運 | 損も得もしにくいです。 儲けようと頑張っても無駄に終わるでしょう。 |
失せ物 | なかなか出てきません。 水にまつわる場所をよく探してください。 |
水風井(すいふうせい)の爻|小象の解説
もともと「状況が動かない」という卦ですが、初爻から上爻に向かうにつれて進展しやすくなると見ます。
なお三爻、四爻、五爻、上爻が正位を得ており、残りの初爻、二爻は不正。中でも初爻と二爻はつらい状況になりやすく、かつ改善がしにくいため注意しなければなりません。
上爻の意味 | 誠実な気持ちでみんなに接していけば、いつまでも幸せが続きます。頑張ってきたことは認められ、さらなる利益を生むでしょう。 |
五爻の意味 | 多くの人のために力を振るえば相応の見返りが望めます。注目が集まりますので、存分に活躍しましょう。食べ物に気を使うとさらに吉。 |
四爻の意味 | 環境は整い、技術も十分。あとは運命の瞬間が訪れるのを待つだけです。その瞬間はまだ先ですので、気を抜かないようにしましょう。 |
三爻の意味 | せっかく技術があっても、みんなに見てもらえません。周りにしっかりアピールしつつ、精進を続ければやがて日の目を見ます。 |
二爻の意味 | もともと大きな成果を挙げられる話ではなく、またやり方にも問題があります。がむしゃらに頑張るのではなく、目の前のことを根本から見直しましょう。 |
初爻の意味 | 状況はかなり深刻。頼りにしていたものは全くの見込み違いです。現状を好転させるには、当事者が自分を変えるしかありません。 |