山水蒙(さんすいもう)の解説|卦辞の読み解き方
山水蒙の「蒙」とはすなわち「子ども」のこと。まるで幼児のように物事がわからず、迷いが出てしまっている状態です。
この状態を打破するすべは「匪我求童蒙。童蒙求我」とあるように、自ら進んで誰かに教えを請うことですね。
ただ、何度も聞くことは良くありません。「再三?。?則不告」の通り、やがては親切な人も正しい答えを授けてくれなくなるでしょう。
教えてもらう側は謙虚な姿勢であるべきであり、教える側は相手の信頼に応えられるよう徳を積むべきです。そうすれば、道は開けていきます。
山水蒙(さんすいもう)の意味|大象の解説
見通しが明るくないときによく導かれる卦です。また、卦辞にある通り教育の場面で登場しやすい傾向にあります。
もし当事者が迷いを抱えているのであれば、その迷いが晴れるまでは行動するべきではありません。また、自分で判断するのではなく、有識者の見解に身を委ねるようにすると良いでしょう。
その際には、受け身の姿勢ではなく自ら積極的に師を探すようにしていきたいですね。真面目な態度で相手と接すれば、良き教えが得られます。
なお、誰に師事するかは慎重になった方が好ましいですね。何事も蒙昧であるため、相手の人柄を見抜きにくくなっているからです。
本当に信頼できる相手へ誠実に向き合えれば、やがて迷いはなくなることでしょう。
山水蒙(さんすいもう)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 先行きが不透明になりがちです。 状況や相手のことを一つひとつ確かめていけば、徐々にどうすべきかがわかっていきます。 |
片思い | 相手への理解を深めるべきときです。 何気ないやり取りを大切にしましょう。 |
復縁 | しばらくは思うようにいきません。 相手の言い分に耳を傾ければ好転します。 |
結婚 | 当事者側の不安があらわになりがちです。 心配事を解消できれば話が前に進むでしょう。 |
相手の気持ち | 二人の関係に対して迷いを抱いている状態です。 その迷いに対して寄り添えれば関係はさらに良くなります。 |
仕事 | 状況を見直しましょう。 自分の腕を磨き直すためにも、誰かに教えを請うべきです。 |
転職 | 現状では避けるべきです。 しかし、年長者の導きがあるのであれば問題はありません。 |
運勢 | 悩みが増えがちであり、判断力も鈍っている状況です。 その道のプロの意見を参考にできれば吉に転じます。 |
金運 | お金の悩みが増えがちです。 誰か詳しい人の意見を参考にしましょう。 |
失せ物 | 一人で探しているうちはなかなか見つかりません。 ありかを知っていそうな人物を頼れれば吉。 |
山水蒙(さんすいもう)の爻|小象の解説
四爻のみが陰の正位を得ています。ただ、陰の気が強まるため注意しなければなりません。
それ以外の爻については不正となりますが、もともとが不穏な卦のため逆に吉へと転じる部分が多いです。その一方で、さらに混沌とする部分もあるためよく状況を見定めて運命を読み解きましょう。
初爻の意味 | 意見の対立や摩擦が生じやすいです。相手の出方をうかがい、何事も丁寧な態度で臨むようようにしていきましょう。 |
五爻の意味 | 自己判断ではつまずきやすく、しかし有識者の意見を取り入れられれば吉となります。いっそう謙虚でいることが求められるでしょう。 |
四爻の意味 | 状況が不透明になりやすく、助けを得ることも思うようにいかなくなりがちです。課題についてはしばらく様子を見るようにしましょう。 |
三爻の意味 | 迷いのために右往左往しがちです。自分の中に行動の指針を持つべきでしょう。確信がないうちは動かない方が吉となります。 |
二爻の意味 | 少しずつではありますが、自分の行動によって運命を動かせるようになります。実力を発揮できるときは近いです。 |
初爻の意味 | 気を張って臨むべきです。自分に対しても相手に対しても厳しくなれると良いでしょう。何事も甘えは禁物です。 |