火山旅(かざんりょ)の解説|卦辞の読み解き方
「旅」とは文字通り旅のこと。ただ、現代における旅行とはかなり趣の違うものです。何らかの事情によってもとの国にはいられなくなり、各地を渡り歩かざるを得なくなっている状態を指します。
そのため簡単なことならどうにかできますが、それ以上は無理です。多くのことは何事も思い通りにならず、その場所のやり方に従わなければいけないでしょう。
なお「旅貞吉」とあり“吉”という文字が使われていますが、これは「持ちこたえられる」程度の意味です。けっして良い状況ではありません。
火山旅(かざんりょ)の意味|大象の解説
孤独な状況だとよく導かれる卦です。現状は不安定だと言わざるを得ず、見通しはつきません。せっかく立てた計画も端から破綻していきます。
この状態を乗り切るためには「その場のルール」に従うことです。その国にはその国独自の文化があるように、現状には現状のやり方があります。迎合してよく馴染むようにするのが最善策。当人の希望はしばらくの間通りません。
もし叶えたい願いがあるなら、仲間を集めることです。意見に賛同してくれる人や力を貸してくれる人物を集め、一人ぼっちの旅を終わらせましょう。
とはいえ、そう簡単にはいかないのが現実です。旅をしているのですから、生活に必要なものすらなかなか確保できません。まずは生き延びることを考え、それができてから上を目指しましょう。
火山旅(かざんりょ)の解釈|目的別の解釈
恋愛 | 関係を保つのが簡単ではありません。 相手の気持ちも当人に想いも一定ではなく、対策も練りにくいです。 心が落ち着くまで待つしかありません。 |
片思い | 心を揺さぶられるような出来事に悩まされます。 しばらくは様子を見るのが吉。 |
復縁 | 相手の言動に一喜一憂することになります。 二人の関係を応援してくれる人を見つければ光が差し込むでしょう。 |
結婚 | 様々なトラブルに見舞われ、話が前に進みません。 協力者を得られると、次第に幸運を得られるでしょう。 |
相手の気持ち | 当事者に対して様々な想いを抱いておりなかなか定まりません。 |
仕事 | 環境の変化に振り回されます。 落ち着くまで試行錯誤するしかありません。 |
転職 | 職場が次々と変わることがあります。 良さそうな場所を見つけたらできるだけ馴染めるよう頑張りましょう。 |
運勢 | なかなか安定せず、状況がころころ変わってしまいます。 |
金運 | 収入が安定しなくなります。 きちんと生活費を確保するようにしましょう。 |
失せ物 | 時間が経つほど見つかりません。 人手に渡ってしまった場合もあります。 |
火山旅(かざんりょ)の爻|小象の解説
二爻、三爻のみが正位を得ています。二爻では陰の気が増すため安定しやすくなりますが、三爻は陽の気が強まることでいっそう状況が揺らぐでしょう。
その他の初爻、四爻、五爻、上爻は不正となりますが、五爻のみ吉運を得やすいです。それ以外の爻は注意してください。
上爻の意味 | これまで築き上げてきたものを全て失ってしまうでしょう。従うべきルールを確認し、人の言うことをよく聞けばまだ希望があります。 |
五爻の意味 | 実力を認めてもらうチャンスが間もなく到来します。大変なこともありますが、果敢に挑戦してみましょう。苦労した以上の成果が得られます。 |
四爻の意味 | 身に余る幸せを得てしまい、逆に心の平穏が失われます。あまり大きく動くべきではありません。保守的な姿勢でいれば吉。 |
三爻の意味 | 気づかぬうちにルールを破ってしまい、その咎を受けることになります。本当に正しいやり方で取り組めているか見直してください。 |
二爻の意味 | 平穏を得られますが、まだまだ道半ばだということを覚えておいてください。いまの幸せを大事にしながら先へ進みましょう。 |
初爻の意味 | 状況を受け入れられず、何をするにも後手後手になります。意地を張っても仕方ないです。もう時間はありませんので、勇気を出して足を踏み出してください。 |